寒くなり始めた11月中旬、関東のとある工房を訪ねてきました。
堀江さんは12月14日と15日にMALAIKA MITI青山店にて行われるショーに向けた新作を絶賛制作中でした。
デザイン・石の選別・加工からシルバーワークまですべて一人で行われています。
その作業の一つ一つが本当に丁寧で、素材やモノに対するリスペクトや仕事への真摯な姿勢が印象的でした。
当店でのベストセラーで代表作でもあるWiyakaに使われるマンモス牙の化石や、べリーン(鯨の髭)
これらの拘りの材料を丁寧に選別、カット、研磨して制作していきます。
銀面に1本のラインを入れるだけでも、何種類もヤスリを使い、光が反射する曲面を作っていきます。
思い描く光の反射を生むための気の遠くなるような作業。
銀面の光の流れとターコイズのドームの頂点からの立体としての成り立ち・流れまで考えられ、表現された作品は必見です。
こちらは自作のスタンプ。使い古したヤスリなどを使って作ります。
ロウ付け作業は、2本のバーナーを使う場合もあり、その場合危険なので集中して行わなければいけないそうです。
通常、そういったものが出た場合スクラップしてしまうのが普通。
ですが、堀江さん曰く、失敗から学ぶという意味でこれらはそのまま今も堀江さんのスタジオに鎮座し仕事を見守りつづけています。
今回出品予定の作品の制作も大詰め
堀江さんの作品といえば、インディアン文化からの影響を感じさせつつもただの物真似ではない、独特の世界観を持つオリジナリティ溢れるものという印象を抱きます。
黄金比のような変えられない合理性と、それとは相反する、極めて人間的な、どこか原始的なというか、力強い根源的なものが鬩ぎ合いながら同居していて、それがまた作品に「一筋縄ではいかない」生命感を宿しているように感じられます。
「自分の両腕だけで食べていこうって人がそう簡単に反省しちゃいけない」
https://armadillok.exblog.jp/27581702/
堀江純さんのブログ「アルマジロナイフのラコタDays」より
かの有名な忌野清志郎の言葉を引用しながら自身の仕事や作品作りについて語ってくれた姿が印象的でした。
最近目が悪くなったという堀江さん、作品作りに没頭し「見えなくなりながら作っていた」そうです…
ともするとデータや概念でわかっているになってしまいがちですが、手触りや重みが感じられる手仕事が私たちの日常を彩っているのだと改めて感じられました。
様々なインディアンジュエリーアーティストとも交流があり、ターコイズのみならずラコタアート、民芸品や北米先住民アート、落語に音楽、もちろんジュエリーなど造詣が深い堀江純さんが
2024年12/14(土)12/15(日)MALAIKA MITI青山店に在店致します。
店頭販売のみとなります。ぜひ遊びに来てください。