インドネシア、バリ島の伝統工芸品『アタのかご細工』
インドネシア、バリ島の伝統工芸品であるアタのかご細工。職人の手仕事で作られたこのかごは、びっしりとつまった細かい網み目と艶のある飴色の風合いが魅力です。アタのかご細工は、その繊細な見かけによらず丈夫で、湿気にも強く長持ちします。暮らしの道具として作られ、現地の暮らしの中で育まれたアタ細工の伝統技術をご紹介します。
アタの故郷、テンガナン村
アタのかご細工は、バリ島の東部の村、テンガナン村(Tenganan)でうまれました。テンガナン村は、バリの先住民「バリ・アガ」の村とも呼ばれ、独特の風習や伝統儀式がある、塀に囲まれた小さな村です。そんなアタの故郷を訪ねました。
テンガナン村で出会った水牛飼いのおじいさん
アタ細工の制作過程
アタとは、インドネシアに自生しているシダ科の植物です。この植物の茎を乾燥させたものが、アタ製品の材料になります。
乾燥させた茎を1本1本、均一の細さに整えます。コーラなどのキャップが使われていました。
アタを編んでいきます。
堅い素材がしっかり編み込まれた所に、一目一目編み込んでいくのにはとにかく時間がかかります。
この工房では、職人さんたちがバッグを編んでいました。
複雑なデザインも、すべてハンドメイドで編まれていきます。
同じデザインのバッグが編みあがっていきます。堅くしっかりと編まれた細工は、丈夫で型崩れもしにくくなっています。まさに職人技。
こちらでは、バッグを美しい黒に仕上げていました。上品な黒のアタバッグは、バリ島でも人気があります。
こうして編みあがったアタのかご細工は、屋外に並べられ、バリの強い日差しの下で、よく天日乾燥させます。
最後に、ココナッツチップで燻製させます。
この作業により湿気に強く、防虫効果のある製品となります。日本の夏の高温多湿な気候にもよく合い、長持ちします。また無着色のアタは、燻されることで美しい飴色になります。
バリ島の伝統工芸品、アタのかご細工。ナチュラルテイストなのに、高級感があり、しかも、実用的。不思議と和の雰囲気にも合い、バッグは浴衣や和装、雑貨は和室などにも映えます。
アタのかご細工の商品は、一部店舗を除く全国のマライカ、または、公式オンラインショップでも販売しております。